「“がんばれ”って言ってくれないんですか?
たまに夜 さけんでるじゃないですか」
島田 航一郎(大沢たかお)
「あぁ。…違うって。
“がんばれ”ってのは、人に言う言葉じゃないよ。
あれは自分に向かって言ってるんだ」
そういうことだと思う。
最初は“言葉”にもなっていなかった
“思い”を自分の中で念じていたんじゃないかな。
いつか、その思いは“言葉”になって、
身体から出て行った。自然とさけんでいた。
自分に言い聞かせるように。
その言葉を聞いていた人は
さけんでいるその人に
勇気をもらったんだと思う。
“がんばろう”って。
思いが込められた言葉には、
人に伝わるチカラがある。
そのことを無意識にでも
感じ取っている人は、
頑張っている人に対して、
やっぱり“がんばれ”って
自然と声を掛けてしまう。
そういう光景もまた
素敵だと思う。

映画【風に立つライオン】
#原作・歌:さだまさし / 脚本:斉藤ひろし / 監督:三池崇史
ひとつの歌が、物語となって、映画になった。
いろんなものがバトンとして
ひとりひとりに手渡されていく。
それは最初の思いが、
純粋で永遠が詰まった結晶だったから、
それを受け取った人が
自然と誰かに伝えたくなる。
その繰り返しで生まれたのが
この映画だと思う。
エンディングで
もとになった歌が流れてきて、
物語のピースが
ひとつひとつ
はまっていくたびに
ひとつぶひとつぶ
こぼれていく。
最初に生まれた思いの結晶は
眩しいくらい、今なお光輝いている。
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追伸。
エンドロールは私にとって
涙をふくための時間でもあるのですが、
【くちびるに歌を】のような
歌がメインの作品は、上映後5分くらいかけて
ゆっくりと照明をつけて頂きたい。
もしくは、
普及してきたPCブルーライトカット・メガネのような
上映後に掛けるサングラス“ティアーズカット・メガネ”を
開発して頂きたい。