2015年03月01日

宇宙の果てまで

吉岡 美佐子(黒木華)
「じゃあ、なんでやってんの? 演劇。
 やめればいいのに」


俺、なんで放送部入ったんだっけ
と考えていた。

高校1年の春、部活説明会で
何とはなしに視聴覚室へ入った。

ここへ来る前、入学前から期待していた
山岳部の部活説明に行っていた。
勝手にピクニック的なイメージを想像して
いたのだが、ゴリゴリの体育会系だった。
中学時代、テニス部→天文学部→読書部と
いう流れで育った私にとって、
「あの山は高すぎる」
とピンと来たんだと思う。
入部しようか、どうしようか
考える時間が欲しくて、
クーラーのきいた視聴覚室にやってきた。

放送部の先輩の説明がひと通り終わったのだろう。
視聴覚室が突然暗くなった。
目の前のスクリーンに普段テレビでは
見られないような、手作り感満載の
番組が映し出された。
ドラマ仕立ての番組もあり、
その中のひとつに
トイレに駆け込む男子学生が
空いている個室を探して
各階を必死になって走りまわるという
作品があった。
意図はよくわからなかったが、
楽しんで作ってるんだろうなという
思いは伝わってきた。

なんとなく入部届けを出していた。
その年の新入部員は結局私だけが残り、
10月の文化祭が終わると三年生は卒業するのだが、
三年生8人と一年生1人しかいない放送部は
私ひとりになっていた。
1年生で部長という、なかなかの展開だった。

ただ“辞める”ということは
不思議と考えなかった。
先輩達が教えてくれた
“楽しむ”
という思いがずっとあったから、
お昼の放送も毎日ひとりで話して曲を流して
たまに頂くリクエスト曲に心から喜んだ。

そんな気持ちで日々過ごしていると、
ある日ふらっと入部希望者が来てくれるもので、
気がつけば高校3年になった時は
私が入部した時よりも部員数は多くなっていた。

結局、3年間まるまる放送部で過ごした。
その時の思い出は今の自分をしっかり支えてくれている。

彼女たちにとっても、
この時期が素敵な思い出になるよう
心から願います。




幕が上がる
#原作:平田オリザ / 脚本:喜安浩平 / 監督:本広克行



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posted by ozy- at 22:26 | 東京 ☁ | aada coda iu(0) | track back(2) | 【CINEMA】
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