2011年05月15日

三浦しをん×鴻巣友季子 at まほろ市

先日(5/14)、「THE MAKING OF まほろ駅前多田便利軒」展のトークイベント
“三浦しをん×鴻巣友季子 特別対談”
に行ってきましたよ。
#前回(4.24)オープニングセレモニー
“映画【まほろ駅前多田便利軒】の舞台裏”特別トーク

もう、行数たっぷりなのでさっそくレポート
いきましょうか。

映画公開記念 三浦しをん
「THE MAKING OF まほろ駅前多田便利軒」展

三浦しをん×鴻巣友季子 特別対談
出演:三浦しをん(原作者)
   鴻巣友季子(翻訳家・エッセイスト)
日時:2011年5月14日(土) 14:00〜16:00
会場:町田市民文学館2階大会議室


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■3時間前に初対面


“まほろ駅前ツアーに行ってきました”
鴻巣友季子
「ここが行天(松田龍平)が刺されて転がってたトイレだよって」
三浦しをん
「すごい、トイレを激写してましたよね」


“コーヒーの殿堂 プリンス”
鴻巣友季子
「あそこはすごかったですね。小説に出てくる喫茶アポロンの
 モデルになったと言われている」
三浦しをん
「“コーヒーの殿堂 プリンス”。
 窓辺がジャングルのようになってる喫茶店ですね」
鴻巣友季子
「ちなみにこの中で、プリンスをもちろん知ってるって方
 どれくらいいらっしゃいますか?」
#会場の70%が挙手.
鴻巣友季子
「…あぁ、みんなですね。行ったことがあるという方は?」
#会場の60%が挙手.私も両方あげました.
三浦しをん
「あそこは良い喫茶店ですよね。落ち着きます」
鴻巣友季子
「入った時、ビックリしましたね」
三浦しをん
「いろんな置物があって、ちょっと脳が認識を拒むというか」
鴻巣友季子
「最初まず中世の甲冑がいるんですよね。あぁここは中世の
 ヨーロッパっていうイメージかって脳が解釈した時に
 ふっと横を見ると、あぁっていう」
三浦しをん
「サンタクロースが季節を問わず置いてあったりしますよね」
鴻巣友季子
「ようやく脳が整理ついてきた頃に、またふっと見ると
 キリンがいたりね」
三浦しをん
「ワニがいたり」
鴻巣友季子
「ひとことで言うと、こう カオス」
三浦しをん
「カオスですね」
鴻巣友季子
「でも何であんなに落ち着くんでしょうね」
三浦しをん
「何でしょうね。従業員の方のサービスが
 行き届いてますしねぇ。良い喫茶店です」



■町田の思い出
・出身は世田谷(今も世田谷在住)
・町田に来たのは小学5年生(町田第五小学校)
・小学校にいた漫画好きの友達がきっかけでオタクの道へ
・POPビル内の巨大な古本屋・高原書店に通ってた
・町田は何でも揃う.新宿とかいかない
・いまだに買い物で来ている


鴻巣友季子
「映画館が無くなったのはちょっと残念ですよね」
三浦しをん
「町映ローズ、町映グリーン」
#ここもフルネームなのが流石です.
鴻巣友季子
「比較的最近までありましたよね」
三浦しをん
「ありましたね。最後に観に行ったのが
 オダギリジョー主演の【SHINOBI】
 色んな意味ですげー映画撮っちゃったなオイ
 っていう。しょっぱい思い出があります。
 公開初日の第1回目の20分くらい前に、席が
 取れなくて大変だと思って行ったんですけど、
 誰もいませんでした」


“町田市の歴史は意外と古い”
鴻巣友季子
「町田市の歴史をまとめた資料が分厚いんですよ。
 平安時代くらいからあって」
三浦しをん
「町田 ないですよね」


・町田は絹の道(山梨・八王子〜横浜)の通過地点だった
・運んでくる馬が町田辺りで倒れることが多かった
・昔から馬肉屋さんがあるのはそのため
・遺跡があったりと実は弥生時代から歴史がある
・重要なことはみんなタクシーに教えてもらっている


“何もなかった中・高校時代”
・JR横浜線を利用して横浜の学校に通っていた
・男子との会話が駅員さんくらい(自動改札以前)
・ヤクザに話しかけられることが多くて困った



■小説『まほろ駅前多田便利軒』ができるまで

“書くきっかけ”
・以前から家族の問題を書きたいと思っていた
・東京郊外の街を舞台にしてみたかった
・身近な町田を舞台にして 軽いタッチで書いてみた
・しっくりきた


鴻巣友季子
「『新宿鮫』とか『池袋ウエストゲートパーク』とかって
 タイトルだけでだいたいイメージわきますよね。でも、
 町田って言われた時に」
三浦しをん
「『町田オオカミ』
 弱いんだか強いんだかよくわかりませんが」


“キャラクターについて”
・家庭内の問題をのぞく職業として“便利屋”
・便利屋をイメージして出てきたのが多田
・多田だけでは地味だと思ってスットンキョウな相棒を


“男二人のバディものは安定ジャンル”
・明るい話は男性を主人公にした方が書きやすい
・女性を主人公にすると分かり過ぎてしまう
・男二人のバディものって男女問わず好感
・これが女性二人だと男性は理想を重ねにくい
・多田の相棒を女性にするとどうしても期待してしまう
・恋仲になりようがない二人にしたかった
・これからどう関係をつくっていくのかを書きたかった
・男性だと夢や希望をたくしやすい
・あと男に対して興味深々だから


“多田啓介という男”
・プライド(誇り)があると生きにくい
・もうちょっと肩の力を抜けばいいのにって思う
・最近はだんだんグータラになってきている


鴻巣友季子
「今、週刊文春で連載中の『まほろ駅前狂騒曲』では
 なんか、ちょっと恋の相手が」
三浦しをん
「そうなんですよ。多田のクセに生意気なんです」


・多田は私の中の白い部分
・自分の中の「こうありたい」理想が入っている
・イラっと来る部分も含めて


“行天春彦の存在”
鴻巣友季子
「行天というキャラクターは三浦さんでなければ
 なかなか出てこないキャラクターだと思うのですが、
 実際モデルになりそうな方はまわりに」
三浦しをん
「いやぁ、いないですかね。
 まわりにいたらホント迷惑ですから」


“登場人物の動き”
・だいたいの道筋(ストーリー)は考えて書いている
・人物の動きは“自分が考えている”のとはまたちょっと違う


鴻巣友季子
「手間の掛かる幼児くらいな?」
三浦しをん
「あぁ、そうですね。おトイレはこっちですよとか、
 そういう感じですかね」


三浦しをん
「ノってる時って、もうセリフが聞こえてきてますね。
 私の場合は声ですね」


“文字の夢を見るんですよ”
・締切りで切羽詰まっている時も、あえて寝る
・そうすると全部文字の画面が浮かぶ
・縦書きなんです
・書くときはPCなので横書きなんですけど



■漫画『まほろ駅前多田便利』
・私が書いたものより数段カッコイイ
・しょぼくれ感が絶妙
・原作を検討して展開して頂いている
・読んでいて違和感がない.私が書いたのかなと
・こうすれば良かったと悔しい思いも
・視覚表現って強い.あらたなイメージが加わる



■映画【まほろ駅前多田便利】
“キャスティング”
・主役の二人は最初ちょっと若いかなと思った
・実際の映像を見ると しょぼくれ感が美しい
・役者さんはホントすごい
・「町田がこんなにキラキラして見えるとは」
 (某町田市職員 談)
・見慣れた街がワンダーに変わった


“大森立嗣監督の演出”
・『まほろ』を人情話だと思われたくなかった
・映画も決して人情話になってないところが良かった


三浦しをん
「途中、フロントガラスが割れて、
 ゴーグルみたいなのを掛けて走る場面があって。
 あそこだけパッとトーンが変わるんですよね。
 アメリカのニューシネマみたいで。パーッと
 明るいシーンになる感じがあって。
 かわいてるんだけど、明るい感じになる。
 あそこが、もうホント好きで。
 いやぁ映画ってすごいなと思いました。
 どうしたの、二人もういきなり天国にいっちゃった
 のかしらっていう。あれは小説では出せないですね」



■続編『まほろ駅前番外地』執筆中『まほろ駅前狂想曲』
鴻巣友季子
「三浦さんにとって『まほろ』の
 “これが掴めたから書けた”っていう
 最初のきっかけって」
三浦しをん
「小指かな。行天の小指ですね」


・切り離されたものが新たに関係を結ぶ
・再生の物語
・本編を書いている時とは変わってきている
・身近な人に読んでもらって少しでも元気なってほしい
・希望を持たせる話にしたい



■質問コーナー(抜粋して幾つか)
Q1.登場人物の名前について
・商売する人に“多田”ってやりにくいだろうなって思って
・相棒は変わった名前にしたかった
・『変わった苗字辞典』で行天を見つけた
・山崎豊子『沈まぬ太陽』で行天がいたことに後から気づく
・山崎豊子先生が以前「悪役には濁点がつく」と言っていた
・『白い巨塔』の財前教授とか(会場「おおぉ」の声)
・本名“三浦しをん”が子供の頃イヤだった
・作品の登場人物はなるべく普通の名前にしている


Q2.映像化される作品の原作者の立ち位置
・一般的には原作者が口出すことはない
・「脚本を見せて欲しい」ということは必ず言う
・基本はおまかせ.依頼者もプロですから


Q3.ハダカ同士(お風呂)の場面が多いことについて
・確かによくお風呂入ってる.初めて気づいた
・内なる欲望がそうさせているのでは


Q4.ストレス解消法
・寝ることと漫画を読むこと
・この二つでだいたいのことは棚上げできる


Q5.タイトルのつけかた
・考えるのは苦手
・『まほろ』は連載前に決めたため そのまま
・『風が強く吹いている』は書き終えた後に付けた
・箱根駅伝の中継でアナウンサーが言った一言
「風速○m.風が強く吹いています」これだと



■おまけ
“合コンについて”
鴻巣友季子
「以前に、“合コンは死ぬほど嫌いだ”って」
三浦しをん
「一回しか行ったことはないんですけどね。
 合コン会話は耳をダンボにして聞いてます」


鴻巣友季子
「合コンに来るために着ている服装だなっていう」
三浦しをん
「男の人は、会社帰りなんでしょうね。
 黒いスーツで、ちょっと色ついてるシャツ。
 この辺まで外してるんですよね。ボタンを。
 しめろよ」


三浦しをん
「女の子はたいていキャミソールみたいなのを着て。
 そこにカーディガン着て。そのカーディガンの色が
 ムーミンみたいな色なんですよ」
鴻巣友季子
「ムーミンカラー。なんか、煮え切らない」
三浦しをん
「煮え切らない。いいんだけどね。可愛いんだけど。
 ハニャみたいな」


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以上です。
長々とお付き合い頂きありがとうございました。
私事で恐縮ですが、先日(5/13)WEB日記を始めて
丸8周年になりました。
これからも
「相変わらず、やってるなぁ」
と思って頂ける日記をつづっていきたいと思います。
よろしくどうぞです。



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backまほろ駅前多田便利軒next
posted by ozy- at 23:30 | 東京 ☀ | aada coda iu(4) | track back(1) | 2011年
この記事へのコメント
特別対談にご参加いただきましてありがとうございます。鴻巣友季子さんの巧みな進行により、三浦しをんさんの作家としての様々な側面を感じることができたのではないかと思っています。
ほんとうに2時間があっという間でした。
内容もこのようにまとめていただけると、参加された方はもちろん、惜しくも抽選に外れてしまった方でも、当日の雰囲気や内容を感じてもらえると思います。ありがとうございます。
関連企画は6月にもございますので、ご参加をお待ちしております。
Posted by 担当者 at 2011年05月22日 22:28
担当者さん、いらっしゃいませ。
こちらこそ貴重なイベントに参加させて頂き、
ありがとうございました。

鴻巣さんがいたから三浦さんがあんなに
跳ねられたのかなと思います。
この日記では書ききれませんでしたが、
あの2時間は楽しいだけではなくて、後々になっても
色々と考えさせられるような内容の濃い時間でした。

6月といえば高原さんのトークイベントですね。
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「しをんちゃんとの思い出と町田の魅力」
ゲスト:高原陽子(高原書店社長)ほか
日時:2011年6月11日(土曜日) 14時〜15時
場所:町田市民文学館2階大会議室
定員:50名(先着順)
申込:不要(直接展示室にお集まりください)
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残念ながら次回はお邪魔できませんが、
素敵な時間になることを願っております。

Posted by ozy- at 2011年05月23日 23:31
三浦しをん×鴻巣友季子対談
2011/11/1に東京古書会館で開催。
詳細は「BOOKTOWNじんぼう」で。
Posted by 佐古田亮介 at 2011年10月25日 20:54
佐古田亮介さん、いらっしゃいませ。
さっそく情報元を調べてみました。
http://jimbou.info/news/furuhon_fes_index.html
詳細は以下のとおりです。

-------転載----------
◆スペシャル対談「三浦しをん(小説家・第135回直木賞授賞)×鴻巣友季子(翻訳家・エッセイスト)」
会 場 : 東京古書会館 地下ホール
日 時 : 11月1日(火曜日) 17:30開始(開場16:30)
【応募方法】
電話予約: 東京古書会館「対談予約係り」 03-3293-0161(代) まで。
受付時間: 月〜金 10:00〜17:00
◎ お名前とお電話番号をお知らせください。受付番号をご案内します(定員150名・お一人様2名まで予約可)。
◎ 先着順。定員150名になり次第、受付を終了させていただきます。
◎ 入場料1000円(東日本大震災復興支援として全額寄付されます)。
--------転載おわり---------

今回の対談入場料は震災復興支援として全額寄付されるんですね。
日記には載せませんでしたが、お二人が町田で対談された時(5/14)、
やはり東日本大震災についても話をされていました。

映画【まほろ駅前多田便利軒】のBlu-ray&DVD発売日(11/2)の
前日ということもあって、ぜひとも駆けつけたい所ですが、私は
難しそうです。残念。

個人的には翌日の「カレー愛トークバトル」も気になるところです。

-------転載----------
◆神保町カレー愛トークバトル
「カレーがなきゃ生きていけない!」 カレーの街として知られる神保町で、カレー愛をたっぷりと語り尽くすトークショーです。
出 演 : 小野員裕氏(元カレーミュージアム館長・グルメ評論家)、水野仁輔氏(東京カリ〜番長、カレー関連の著書多数)、吉本興業のタレントの方
会 場 : 東京古書会館 地下ホール
日 時 : 11月2日(水曜日) 15:00〜17:00
備 考 : 入場無料
--------転載おわり---------

神保町を行ったら、私もやっぱりカレーを食べたくなりますね。
秋葉原に行ったらサンボで牛丼、に近いものがあります。


貴重な情報、ありがとうございました。
Posted by ozy- at 2011年10月25日 23:30
ああだこうだ言う
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